建築随想

戸田英二 建築家

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

モダン・スタイルの理想の建築

超唯物主義のもっとも明白で錯乱する渇望を体現したものは、モダン・スタイルの完壁に理想の建築だ、とダリはいいます。そしてそれはスペイン・バルセロナのグラシア通り(Paseo de Gracia)に現実に建っている*01というのです。 ダリのいうバルセロナに建…

《超》造形主義

あらゆる様式を〈噛みつぶす〉形で出現したモダン・スタイルですが、それを《造型的》あるいは《絵画的》な目的で使用すること*01、すなわち三次元あるいは二次元の表現手法として単に使用することをダリは否定します。さらに《直角》や《黄金分割》の公式…

芸術のむごたらしい跳躍

ダリは《感傷的遠近法》のメカニズムのおかげで、比較的近い時代をひどく誇張した距離との対比で評価することが可能になる*01と述べています。この《感傷的遠近法》の時間的・空間的秩序を混乱させるメカニズムによってモダン・スタイルの建築では、ゴシッ…

笑え!道化師

《1900年様式》のもっとも大きな特徴は、《感傷的な透視法》のメカニズムをもっていることだ*01と指摘したダリですが、その例えとして《笑え!道化師(Ridi Pagliacci! リーディ パリアッチョ!)》という当時人気の常套句を取り上げています。 《笑え!道…

《感傷的》な遠近法

透視画法の、空間をあるひとつの点(消点)に向けて収斂させていくという表現には、その消点に近づけば近づくほどそこに描かれたものが小さくなっていくという距離とものの見え方の相関関係が示されています。それは私たちに、日常的に生活する空間の中に「…